第2次世界大戦中の日本軍の砲兵連隊の編成


●第2次世界大戦中の日本軍の砲兵連隊(師団砲兵)の編成
 第2次世界大戦中の日本軍歩兵師団には通常、1個砲兵連隊(野砲兵連隊または山砲兵連隊)が配備されていた。ここで記述する野砲兵連隊の編成は、一般的なものであり、すべての野砲兵連隊が本編成を行っていたわけではない。
 野砲兵連隊の編成を図1に示す。砲兵連隊(連隊長は大佐)は、連隊本部、観測1個中隊、3個砲兵大隊、連隊段別で編成される。観測中隊の役割は、師団展開地域の測地、目標の標定、気象観測、通信網の構成などである。連隊段別とは、後方勤務部隊のことで、弾薬の補給などを担当する。

各砲兵大隊(大隊長は少佐)は、3個砲兵中隊で編成される。野砲兵連隊所属の大隊の場合は、3個中隊の内、1個中隊は、91式10cm榴弾砲を、2個中隊は、改造38式野砲、90式野砲または95式野砲を装備していた。山砲兵連隊所属の大隊の場合は、やはり3個中隊で編成され、装備砲は、94式山砲または、99式10cm山砲であった。

 中隊(中隊長は大尉)は、指揮小隊および砲列2個小隊から編成される。
 砲列小隊(小隊長は中尉または少尉)は、2個分隊から編成される。
 分隊には、各1門の砲、軍曹または伍長の分隊長、7名の兵、12頭の軍馬で編成される。装備砲が野砲の場合は、軍馬12頭の内、6頭で砲車を、6頭で弾薬車を牽引する。装備砲が山砲の場合は、軍馬12頭の内、6頭に砲を分解して積み、残りの6頭に弾薬を積んで運搬した。

図1 日本軍の師団砲兵連隊(野砲兵連隊)の編成

 師団砲兵では、対処しきれない重陣地などを攻撃する場合、軍直轄の野戦重砲兵連隊が増援することになっていた。
 野戦重砲兵連隊が装備する火砲は、92式10cm加農砲、96式15cm榴弾砲、89式15cm加農砲、96式24cm榴弾砲などの、より大口径の砲であった。

参考文献:
・「大砲撃戦 第二次世界大戦ブックス37」 Ian V Hogg著 小野佐吉郎訳 中野五郎監修
・「大砲入門」 佐川二郎著 光人社NF文庫

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